【ヤング島耕作(4) 弘兼憲史】は、小池百合子が言った「アウフヘーベン」が日常生活で使われた時代

読書感想 第78冊

 

ヤング島耕作(4)

 

 

弘兼憲史

 

講談社

 

イブニングKC

 

 

K七です。

 

  

 

島耕作シリーズは、

『係長島耕作』、『ヤング島耕作主任編』を紹介しました。 

www.knana.tokyo

 

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『ヤング島耕作』は、

『ヤング島耕作』4巻、

『ヤング島耕作 主任編』4巻の全8巻です。

2001年~2010年に出版されました。

 

 

島耕作シリーズは、

K七が生まれた頃の企業、

日本社会がどういったものだったかを知る事が出来るので、

大変重要なマンガだと思います。

 

 

親世代がどう働き、

私をどう育ててくれたのか、

考えただけでも胸が熱くなります。

 

 

70年代、昭和の時代。

メイドインジャパンが、

安かろう悪かろうの評価から

世界一の品質の評価を得るようになる時代です。

 

 

貧しいながらも

右肩上がりの時代。

将来が開けていたあの頃でも

不満はあったわけです。

それが、学生運動や政治活動となり

活発に事件が起きていきます。

 

 

 

情報が自由に得られない、

情報がコントロールされること、

今となれば笑ってしまいますが、

まだまだ不自由な時代だったのです。

 

 

弘兼憲史??

 

 

山口県出身の漫画家。

『島耕作』シリーズ

『ハロー張りネズミ』『黄昏流星群』『人間交差点』

などの代表作があります。

 

 

『島耕作』シリーズ?

 

 

1983年の『課長島耕作』に始まる漫画です。

1982年にパイロット版があったそうです。

松下電器産業、現パナソニックをモデルとした出世物語です。

まさにサラリーマンのダイナミズムを描いた作品です。

『ヤング島耕作』から『会長島耕作』まで発刊されています。

 

 

1970年代はどういう時代だったのか

 

島耕作は1970年(昭和45年)4月に入社します。

そして、1976年(昭和51年)1月、主任に昇進します。

『ヤング島耕作』はその時期の物語です。

 

 

この4巻は

心に残る話というより

歴史や出来事を紐解くような

時事問題、ニュースを取り上げる場面が多いです。

 

 

研修で系列販売店の販売実習に行った時、

客から持ち込まれた使わないの電化製品を

川に投げ込み廃棄するシーン。

 

 

1972年の浅間山荘事件、

テルアビブ乱射事件、

ミュンヘン五輪選手村でテロリストが11人を殺害する事件

当時もいろいろあったわけです。

 

 

組合活動では、

学生運動家が活動し、

オルグ、

イデオロギー、

ブルジョア、

コミュニスト、

アウフヘーベン、

キャピタリズム、

インペリアリズム、

コルホーズ、ソホーズ、

チュチェ思想、

プロパガンダ、

今はもう使われないような言葉が飛び交います。

 

 

1974年~1975年は連続企業爆破事件が起きます。

1970年8月三菱重工爆弾テロがあり、

その後、10件以上のテロがありました。

 

 

ガス湯沸器事故で20人が死亡してしまう。

担当事業部長はゴルフをその時していて、

事故の情報を広報は入手しながら、

広報の判断で担当事業部長に伝えず

初動の対応が遅れてしまい、

マスコミに叩かれるシーンは

まるで今と変わりません。

 

 

「ま、組織に生きるということは

自分に全く落ち度がなくても

突然責任を取らされるというケースも

覚悟しておかなければ

ならないということだ。

組織に守られているという

安全性とセットになって

その危険性をしょいこむ

……それがサラリーマンなんだ」

 

 

理系出の研究職の優秀な社員が

北朝鮮の在日女性とつきあい

そのまま行方不明になる物語もあります。

北朝鮮の拉致問題と帰還事業について触れています。

当時の日本のマスコミも

北朝鮮の実態が分からないなか

加担していたその一片も描かれています。

 

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K七のまとめ

 

「遊んでいる奴が注目されて

一生懸命頑張っている人間がスポイルされるなんて

どこか間違っていると思いませんか⁉

それが社会なんですか?」

島「うーん

間違っているとも思うけど

それが社会だとも思うよ」

 

「(中略)そんないい加減でいいんですか?」

島「いいんじゃない、いい加減で。

ものごとは

あまりこうだと決めて考えない方が楽だと思うよ。

でないと自分の決めた方向に進まなくなると

新たなストレスが生まれるだろう」

「なるほど……確かに」

 

島「いいじゃないか始末書の1枚や2枚……

別に命までとられるわけでもないし」

 

 

島耕作シリーズは、

こういうさりげない言葉が勉強になります。

 

 

ヤング 島耕作(4) (イブニングコミックス)

 

ヤング島耕作 文庫版 コミック 1-3巻セット (講談社漫画文庫)

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